映画『広島・長崎における原子爆弾の影響』は、かつて「幻の原爆映画」と呼ばれた映画です。
原爆投下の1945年に製作が開始され、翌1946年に完成。
完成した映画の全てのフィルム素材はアメリカによって「没収」されましたが、映画の内容が機密に触れる
という理由で、アメリカ国内での公開もされることなく空軍基地に保管されてしまいました。
その後、日本に返還された16mm縮小版の公開、市民運動による日本語吹き替え版の公開など様々な形で
この映画は人の眼に触れるようになりましたが、程度の良いオリジナルの画像とオリジナルの音声を観賞する
ことはかなわずにいました。
2009年、東京国立近代美術館フィルムセンターと広島市映像文化ライブラリーは、アメリカ国立公文書館より
新たに35mmフィルムを取り寄せ、日本語字幕版を完成させました。
DVD『広島・長崎における原子爆弾の影響』は、この最新のフィルムをマスターとして製作されました。
ついに「幻の原爆映画」を完成当時の状態のまま観賞できる初めての映像商品が、65年の歳月を経てここに
誕生したのです。
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